【雑記】読売旅行の著作権侵害について

【はじめに】
詳しい数字、年月に関してはうろ覚えなので修正する可能性大です。
また、著作権法に関する解釈はあくまで私的見解であり、間違っている部分も十分にありえます。



【事件の流れ】

ふと流し見してたニュースを見て驚いた。
著作権法について述べるのは何度目か忘れたけど、いいニュースがあったので、私見をば。






以下、http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121601000285.html引用
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 警視庁生活経済課は16日、新聞の折り込みチラシなどに写真を無断使用したとして、著作権法違反容疑で読売旅行(東京都中央区)と、巣瀬一同社社長ら役員3人とチラシ作成の責任者ら2人の計5人を書類送検した。

 送検容疑は、読売旅行は昨年夏ごろ、写真貸し出し会社「アイフォトス」(東京都新宿区)の許可なく、新聞の折り込みチラシやダイレクトメールに、アイフォトスが著作権を持つ北海道の大雪山など4枚の風景写真を使用し、著作権を侵害した疑い。

 生活経済課によると、読売旅行とアイフォトスは以前、写真使用の契約を結んでいたが、無断使用した時期には契約が切れており、写真の入手経路は不明。写真を無断使用したチラシなどは、少なくとも数万部に上るという。

2009/12/16 12:46 【共同通信】

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読売旅行社が自社パンフにおける写真素材を、アイフォトス社のものを無断使用しまくっていたという。上は書類送検になったとか。


アイフォトス社も、ずいぶん我慢したものだと思った。
何年も我慢して、ようやく提訴へ踏み切った様子だ。流用点数は総計6000点(だったか? むしろ数えた労力も請求したいだろう)にも及ぶという。取引があったのは97年の頃、一瞬だけだったそうで。その後、たまたま社長が手にしたパンフを見たら、「あれ、取引してないのにウチの写真流用されてる!」と気づいたそうだ。それ以来ずっと警告してきたそうだが、読売旅行は無視し続けたようだ。そのときのやり取りをレコーダーが記録していて、生々しかった。東京旅行側の厚顔無恥さが。


流用だけなら、調査後に再使用料を点数に応じて払えばいい(もちろん、菓子折りと十分な謝罪も必要だが)。
これらレンタル型の写真の無断使用による著作権違反は、氷山の一角に過ぎない。



【氷山の下】

通常、媒体に利用される写真・イラストというのは、「著作権ごと買取」というケースが多い。その場合は、その買取元(すなわち媒体主、以下「版元」とす)が著作権者となるため、基本的には流用はいくらでも可能である。

ただ、最近多いレンタル型の写真素材などは、契約形態にもよるが、再使用に関してもまた契約(対価)が発生するのだ。もっとも、この「再使用料」というのもあやしいもので、相手がしっかりしたところでないかぎり、版元が適当に決めた値段で強引に決められていることが多い。個人のカメラマンなどはこのあたりで泣いていることもあるだろう。

この無断流用というものは、どんな会社でも行われているといっていいだろう。それが著作権に対する編集者の無知であったり、紙ヤクザの傲慢さが招いた行為なのだが。


【著作物はあくまで借り物】

この不況下、すべての素材を撮り降ろしなんて予算的にどんな社でも厳しいだろう。だから写真素材を借りる、ということになる。まぁそのお陰で、どの雑誌みても同じ写真しか載ってないってことになるわけだが(苦笑

この「借りる」という行為もかなりグレーゾーンなのだ。例えばある旅館から、露天風呂のポジを借りたとしよう。この写真を掲載するという前提で送ってもらっているが、もしかしたらそのポジは、どこかのカメラマンの著作権物で「旅館がたまたま持っていた」ということになるかもしれない。
もっと困るのが、ポジ(いまじゃデジカメのデータですよね)がなく、しかたなく旅館のパンフレットをお借りして、ソレを写真分解して利用するというもの。これはかなり危ない。著作権がどこにあるのか、旅館の主人が把握しているわけもない。かといって、利用するための契約書を交わしているようなヒマも時間も金もない。だからここは、「著作権者には無断なのだろうけど、持ち主が許可したから利用します」ということになる。どれくらいヤバいかというと、「ディズニーの映画のフィルムのコマをオークションで買い取った人から借りて、ミッキーの写真を商品に使いました」レベル。
だが、これは本当に多い。「バレてないから」、「不満が出てないから」黙認されているのだ。


そして最後に地雷パターン。最近身近な人間が踏んだケースだ。
例えば有名な土産物を雑誌やネットで紹介したとする。だがその土産物のパッケージにはその観光地の風景画が描いてあった。その土産物屋・生産元には許可をもらって撮影し、掲載したわけであるが・・・。パッケージの風景画には、著作権所有者が土産物屋でもなく生産元でもなく、まったく別なところにあったわけだ。土産物屋に著作権の有無に関する自覚はなく。正直、現場では細心の注意を払っていないと、防ぎようがないレベルではあるが。こればかりは、使用時に「何か責任が発生しても、そっちで責任とってね!」とするしかないのだ(苦笑)。


また、著作権保護期間が終わっているからといって、自由にできるわけではない。遺族らが何らかの権利、もしそれがなくても感情というものがある。そこらへんを考慮して、非常に神経を使わなければならない。

また評論などで「引用」する場合は、著作権法違反の対象にならないという判決もある。だが、これもまた曖昧で。どこまでが「評論」で「引用」なのか、線引きが難しい。かつて流行った「○○の謎」本系は、9割9分がブラックな作りである。(ちなみにサザエさんは訴えた)


親告罪だ、というのもある。バレなきゃ坊主丸儲けだ。
むしろそれを誇りにするような営業マンも、山ほど見てきた。特に関西や田舎。金のナイところは、他人の褌しか使わないのだ。どうしたらいいんだろう? こればっかりは、素材を地道に自社製品として集めていくしかないのである。



【著作権に対する個人的スタンス】

わたしは個人的には、「著作権法なんぞ糞食らえ」というのがある。おぼろげなルールと罰則で、取り締まれるわけがないと思っている。自分の部下のミスを防ぐのだけでも精一杯なのに。だからプライベートでは、もう無茶苦茶だ。出所不明のコピーソフトを駆使して、wikiとか余所の記事の引用もよくやる。動画関連なんてもはや無法地帯といっていいだろう。自身のゲームブログなんて、公式のガイドラインなんかもちろん守っていない。もう人生がトレースみたいな。



だが、商売での「わたし」は違う。
限りなく何度も、繰り返し確認を行う。
時と場合によっては、拒否する。もちろん代替案は出さなければならないが。
地雷を踏んだときの被害が怖いのではない。
これは「仕事をしているときのわたし」の矜持なのだ。


この矜持がない者が増えている。
著作権に対する知識が足りない者が、ディレクションしていることに問題がある。
だから逆版(左右反転)とかといった初歩的なミスから、今回の事件にあったような無断使用などが発生する。


ICレコーダーに残されていた、東京旅行側の言い分が忘れられない。

「こんなの、どこでもやってるでしょ。そこらへんでみつけたら、そこから切り取って使うんだから」

ああ、みんなやってるよ。
あんたらみたいな、厚顔無恥な白痴な寄生虫が多いせいで。

雑誌が売れず、広告出稿も減る中で、こういう害虫だけが生産され続けているのだ。もちろん、同じ穴のムジナ扱いなのがこの世である。
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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by archne_bbq | 2010-03-06 03:20 | 時事

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